学校からいじめをなくそう【前編】
── 子どもたちの活動、大人の備え 仙台市の取組を参考に
── 子どもたちの活動、大人の備え 仙台市の取組を参考に
『教育ジャーナルVol.17』より
教育ジャーナリスト 渡辺 研
いじめは防げるのではないか
マスク、手洗い、黙食……子どもたちにもコロナ予防がすっかり身につき、学校にも少しずつ日常が戻ってきた。喜びの一方、こんな数値も戻ってきた。昨年10月に「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果が公表された。調査期間は令和3年度間。そこに気になる数字(グラフ)がいくつかあった。
不登校児童生徒数は令和2年度から急増、中学校では1000人当たり50人に達した(実数は約16万3000人)。コロナ禍による休校や学級閉鎖も関係しているのだろう。
一方、いじめと暴力行為は2年度にいったん減少したが、3年度にはほぼ元年度と同じ数値に戻ってしまった。コロナ禍で徹底されていた“3密厳禁”がやや緩くなって、子どもたち同士の“接触”が戻ったからなのかもしれない(アクリル板を挟んだ関係よりも、子どもには自然だともいえるが)・・・