『体育・保健体育ジャーナル 9号 2020年8月発行』連載記事with Sportsより
腕や脚などの四肢を切断した選手が装着するスポーツ義肢。義手・義足を“相棒”に颯爽とトラックを駆け、フィールドを跳ぶ姿は、「格好いい」の一言に尽きる。そんな選手の義肢装具を製作・調整するのが義肢装具士だ。今回は、子供からパラリンピックを目指すアスリートまで、多くの人たちをサポートする義肢装具士の沖野敦郎さんに、製作のこだわりや仕事のやりがいを聞いた。【取材・文/荒木美晴】
沖野敦郎さん(義肢装具士)
機械システム工学を学んでいた大学時代、偶然目に飛び込んできた光景に釘付けになった。シドニーパラリンピックのテレビのニュース。義足のスプリンターが風を切るようにトラックを走り抜けていった。「脚に機械がついている! 格好いい!」。その衝撃が沖野さんの人生を変えた。エンジニア志望から一転、義肢装具製作を学ぶため、大学卒業後は専門学校に進学。それから義肢装具サポートセンターで経験を積み、2016年に自分の会社を立ち上げた・・・