『教育ジャーナル Vol.21』より
教育ジャーナリスト 渡辺 研
幼保小の協働には課題が多い
改めて「学びや生活の基盤をつくる幼児教育と小学校教育の接続について~幼保小の協働による架け橋期の教育の充実~」(以下、「審議のまとめ」)を読む。求めるものは、「架け橋期の教育の充実」を図るための「幼保小の協働」。
現状では「幼児教育施設の多様性を生かしながら、幼保小の協働により接続期の教育の充実を実現していくためには、未だ数多くの課題がある」と「審議のまとめ」はいう。
小学校は、年長児が慣れ親しんだ歌やゲームや本などの情報を各園から収集してスタカリに生かし、子どもたちが安心して学校生活に慣れるよう配慮してきた。これは幼保小連携の成果に違いないが、協働とはいえない。「審議のまとめ」では、「架け橋」をこう〝定義〟した。
本審議まとめは、幼保小という異なる施設類型や学校種にまたがる5歳児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と称して焦点を当て、当該時期の教育(以下、「架け橋期の教育」)の重要性について、幼保小の先生はもとより、家庭や地域をはじめ、子供に関わる全ての関係者に幅広く訴えることを目的としたものである・・・