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第1回 この時代の子どもに重要な運動遊びを、より主体的に行えるために必要なこと

『子どもを運動好きにするために大人が大切にしたいこと 今こそ、大人が最高のプレイリーダーになろう!』(東京・山梨動きづくり研究会編)より
執筆担当:眞砂野裕(東京都昭島市立光華小学校校長)

東日本大震災以後10年以上にわたる活動からの気づき

 2011年の東日本大震災以後、未曾有の災害が子どもたちから奪った日常的な運動遊びを補填するべく、体育を専門分野にする有志(大学研究職、小学校教員、企業人など)が、主に福島県を拠点にして親子や保育士などの指導者向けに、室内でもできる運動遊びを展開してきました。
 各専門家が知見を出し合い、実践を通して運動を遊びを精選していく中で抽出されたものこそが、「子ども自身が面白く、のめり込むためのポイント」でありました。それは、強制的に運動を行わせてしまうような、一部のスポーツ指導者や体育教師、保護者などの指導とは一線を画するものでした。子ども自身が生涯にわたって主体的に運動に親しむ資質や能力を育み、「結果的に」技能や体力の向上にもつながる運動遊びの提唱者=「この国における新しいプレイリーダー像」を具現化する道といえるものでした。

子どもたちのウェルビーイングをめざして

 コロナ禍を経験した保護者やスポーツ指導者の多くは、子どもにとって運動遊びがどれだけ重要であるかを強く再認識しているだろうし、今後もその認識は続いていくものと思います。
 自分の子どもや、学校、スポーツクラブなどで指導する子どもたちを目の前にしたとき、そうした大人たちを突き動かすのは、特定のスポーツ(その技能向上)や発達段階に沿わない体力向上ではなく、「体を動かすことを楽しませてあげたい!」「一緒に遊びたい!」というもっと原理的な保護者や指導者としての願いではないでしょうか。
 体を動かして思いっきり遊んだり、遊ぶことを制限された不自由な時代を経験したからこそ、多くの大人たちは運動遊びを通した、子どものはじける笑顔を待ち望んでいることでしょう。それはまさに、子どもたちのウェルビーイングを感じられる瞬間に出会うことでもあります。
 この連載では、そうした保護者や指導者のニーズに応えていきたいと考えています・・・

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