『教育ジャーナル Vol.14 2022年8月発行』特別座談会 社会に開かれた学び 第2回 より
豊田充崇教授(和歌山大学教職大学院)
松井直樹主幹教諭(東京学芸大学附属大泉小学校)
田部久美子主任教諭(東京都/千代田区立お茶の水小学校)
コロナ禍が後押しとなったICT教育の推進と、見えてきた課題
豊田 2018年のPISA調査で、ICTを活用した教育について日本がほぼ最下位という結果を踏まえ、GIGAスクール構想の推進が急務となりました。
当初、1人1台端末の導入が計画どおり進むだろうかという懸念があったのですが、コロナ禍によるオンライン授業へのニーズが後押しとなって、予想を超えてオリジナリティーあふれる実践が生まれました。
一方で、通常の授業と比較した学習効果の測定や、トラブルなどの弊害についての調査や対応なども併せて必要になっています。しかし、私個人としては、いつでもオンライン授業ができる体制をつくり、1人1台端末を使用して調べたり、発表したりする活用を取り入れて、情報活用能力の育成に目を向けてほしいと思っています。
コロナ禍によってICT教育が急がれた面がありますが、世の中が少し落ち着いてきた今、1人1台端末の利点や、授業の場面でどういった効果が見込まれるのかという部分について、ようやく検証されるようになってきたと思います。お集まりいただいた先生方から授業での実践を伺いながら、ICT教育の在り方とともに情報活用能力の育成について考えてみたいと思います・・・