SDGs

SDGs×道徳 〈対談〉SDGs×いのちの教育(鈴木中人・木村大輔) 後編

2023年05月25日

『道徳ジャーナル117号 2023年4月発行』連載記事SDGs×道徳より
NPO法人いのちをバトンタッチする会 代表 鈴木中人
一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT) 理事 木村大輔

いのちのバトンを渡し合う

木村 私が所属するGiFTは、よりよい世界をつくっていこうという志を学校教育、社会教育の中で推進することを目指して立ち上げました。GiFTという名前は、「これまでの世代からたくさんの贈り物をいただいた中で、今を生きる私たちは何を残せるか?」という問いに由来します。SDGsの理念から、市民一人一人の行動変容のために何かできないかと考え、多岐にわたる教育活動を行いながら今に至ります。
鈴木さんは数多くの学校でいのちの授業をされていますが、いのちの授業を行うことで鈴木さんご自身に変化はありましたか?

鈴木 私の体験を「いのちの授業」として子どもたちに話すとき、どのように伝えるべきか考えました。私の話は子どもが亡くなる話ですから、死というものを伝えるとはどういうことかを考えました。
死について話すときには、個人の主観がベースになります。例えば、戦争体験を話す人であれば反戦や平和というメッセージになりますし、差別や偏見という視点であれば人権につながります。しかし学校で授業をする上で、子どもたちに伝えるメッセージは個人の主観よりも普遍的なものにしたいと考えました。そこで私は、いのちの授業で伝えるメッセージを「生き抜くこと、支え合うこと、感謝すること、そして親より先に死んではいけないということ」にしました。つまり、死の教育ではなく、どう生きるのかということについて、自分のありのままを伝えようと決めたのです・・・

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