SDGs

小学校理科:SDGsの実現をめざす理科授業

〈教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.1 (小学校版) 2021年9月発行より〉
宮崎大学教授 野添 生(のぞえ すすむ)

はじめに

複雑性と不確実性がますます進む現代社会においては、一人ひとりが他者とつながり、対話し、創造し、あるべき変革に取り組むことのできる持続可能な社会のつくり手として参画することが望まれます。そのような社会をつくるプロセスにおいては、利害や価値観が対立する状況下で、粘り強く対話を重ね、妥当な最適解・納得解を共有していくことが求められるようになります。「社会科」や「総合的な学習の時間」ではなく、教科「理科」として、どのようなアプローチが考えられるのでしょうか。

児童に求められる「主体性」とSDGs

現在の学校教育で「主体性」といった場合、例えば「主体的に学びに向かう力」など、児童による自発的な行動や態度を指す場合が多く、どちらかといえば個々人が自分で考え、行動することが想定されています。しかしながら、未来社会を生きる児童にとって本当に必要な「主体性」とは・・・

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